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「サーチ! 富と幸福を高める自己探索メソッド」読了

サーチ! 富と幸福を高める自己探索メソッド
チャディー・メン・タン
宝島社
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「サーチ!」とは、原題は「サーチ・インサイド・ユアセルフ」といい、Google内で行われているマインドフルネスに基づくEQ(こころの知能指数と言われたりする。後に詳述)を高めるためのカリキュラムのことである。この本ではサーチ!のエクササイズのやり方や効力について書かれている。自分も知らなかったのだが、マインドフルネスの大意は「今の瞬間に注意を払うこと」とこの本では書かれている。

EQとは

EQは「自分自身と他人の気持ちや情動をモニターし、見分け、その情報を使って自分の思考や行動を導く能力」と定義されている。また、EQは以下の5つの領域に分類されている。

1.自己認識ー自分の内面の状態、好み、資質、直感を知ること
2.自己統制ー自分の内面の状態、衝動、資質を管理すること
3.動機づけー目標達成のための意欲をかき立てること
4.共感ー他人の気持ち、欲求、関心を認識すること
5.社会的技能ー他人から望ましい反応を引き出すのに熟達していること

これらが高いと、「優れた職務遂行能力」「抜群のリーダーシップ」「幸せのお膳立てをする能力」が得られるという恩恵がありビジネスでも役に立つと述べられている。例えとして海軍の指揮官が挙げられており、軍隊みたいな厳格さが要りそうな場所でも、優秀な指揮官は「ポジティブで社交性に富み、情動表現が豊かで暖かく愛想がよく、人懐こく民主的で、協力的で、一緒にいて楽しく、感謝の念を表し、他人を信用し、穏やかですらある」らしい。EQの高さが並みのリーダーから一流へ抜ける一つだと述べられている。ちなみに著者はビジネスへの応用は仕事周りの諸々の説得材料で、本当に言いたいのは幸せに関してだ、みたいなことを述べており、実際にこの本ではどうすれば幸せになれるのかみたいな記述も多い(科学的に)。

EQはこの本が詳しいらしいので、そのうち読みたい。

EQ こころの知能指数 (講談社+α文庫)
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サーチ!のステップ

1.注意(attention)のトレーニング

注意は高度な認知的能力や情動的能力の基礎で、そのトレーニングを行うことで自分を客観的に眺める能力が生まれる。それができると心に穏やかさと明瞭さをもたらし、自分の認知的、情動的プロセスを知覚できると述べられている。例えば、カッとしたときにそのまま情動に流されたり同化するのではなく、その情動を客観的に眺められると一旦間を置くことができ、そうすると反応に選択肢を生むことができる。自分はカッとなることはあまりないが、つい言わなくてもいいことを言ってしまいたくなる情動に駆られて言ってしまうこと多いので、そういうの抑えられるならいいなぁと思った。どうやって注意力のトレーニングをするかだが、ここでマインドフルネスの瞑想がよいと書かれている。マインドフルネスの定義は色々あるらしいがここでは「特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと」という定義が用いられている。要するに評価や判断を行わず、あるがままの心で一瞬一瞬に注意を払えばいいとのこと。

マインドフルネスの瞑想の具体的なやり方だが、ここでは二分間、リラックスした状態で穏やかで一貫した注意を自分の呼吸に向けるだけだと述べられている。呼吸を自覚し、呼吸のプロセスに注意を払う。気がそれるとそれを自覚し、手放し、また呼吸に注意を向け直す。慣れないうちはどうしても気がそれてしまうが、それを呼吸に向け直すことを続けることで筋トレのようなイメージで注意力が鍛えられていくと言われておりなるほどなーとか思った。この注意力が鍛えられることにより、EQの基礎が成り立つ。

2.自己認識と自制

注意力が高まり、自己認識ができれば、情動が起こった時、自分の身体にどのような生理的な反応が起こっているかを確認することができ、情動を管理しやすくなると述べられている。これは心より体のほうが情動をより鮮明に経験できるからである。何となく実感あるが、カッときたとき体の一部が熱くなったり、目頭に違和感が出たりとか人によって色々あるはずなので、そういうのを自覚して情動に流されずに生理的反応が出た時に客観的に眺めて対処しましょうと。

3.役に立つ心の習慣の創出

この本では、マインドフルネスの瞑想以外にも自分への注意を高めるためのエクササイズが色々書かれている。また自己認識が高い人は共感能力も高いという研究があるらしく、後半では人に共感する優しさや、思いやりを持つために必要な、「役に立つ心の習慣の創出」のエクササイズが書かれていたりする。簡単にまとめると、人に会うたびに「この人は自分と同じく様々な苦労をしている。自分と同じく健康で良い人間関係を持ちたいと思い、幸せになりたいと願っている」と思えばいいと書かれていて。この著者ホントにいい人なんだろうなぁとか読んでいて思った。多分マザーテレサの有名な言葉である「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから〜」な感じだと思う。他にも自信をつけるためのエクササイズ等の書かれている。

まとめ

とりとめもなく書いてしまった。心を扱っていて瞑想で仕事ができて幸せになれるよという、科学的な研究が多数引用されているもののちょっとスピリチュアルな感じかなと思っていたが、何となく心当たりがあることが多かったし、個人的に優しく穏やかな人間になりたいというのはかなり目標であるので読んでよかった。瞑想習慣つけたいので手元に置いておきたいが、Amazonで高騰を見せているので再版して欲しい。