MeM0

おそらく好きなコンテンツの話か雑記

「いいデザイナーは、見た目のよさから考えない」読了

よく仕事でデザイナーじゃない方から「デザインを教えてほしい」「私はセンスがないので」と言われることがあるが、そのときの回答として抜群に良い本だと思った。
こういうときの「デザインを教えてほしい」の質問の裏には、デザインの意義とかそう言うことではなく、自分も綺麗な「見た目」の資料を作って取引先等に持って行きたいという意図が強いと思う。 それに対して余白をあけることや、整列させる等、ある程度のテクニックは教えられるが、そもそも資料を作成する上で何を伝えたいのか、どういう文脈なのかが大事である、ということは短時間で言えないし、喋り方が下手だと説教臭くなるので避けてしまうことがよくある。要するに自分も一般の方に対してデザインについて短時間で教えられるほど考えをまとめられていない。

この本では「シンプルである」ことを重要視した上で、事例を紹介しながら「見た目」を良くする前に何を考えるべきなのか、そしてレイアウト方法や書体選択などの具体的なテクニック、さらにデザイナー(著者)が普段どういうことを考えているのかというところまで言及されている。ここまで一般の人に対してわかりやすく説明されてる本も他にないのでは?と思った。

何より文章がとても読みやすくてサクっと読める。個人的にはシンプルさへのこだわりをもっと持たないとだめだと感じたのと、センスに関する説明が膝を打った。拝借できそうな言い回しも色々あったので個人的にも使わせていただきたいし、今後デザインについて本をおすすめして、と言われたときこの本を推薦していきたい。