コンサル等で働いてきた著者がクライアント等でも「問題解決の手順は一つ」であったということで、その流れ等について書かれた本。普通に勉強になったのでメモしておく。仕事からSplatoonまで活かしたい気持ちがある。
問題解決の3ステップ
1.Where
問題を絞り込み、合意を取り付ける。
2.WHY
広く深く原因を掘り下げる。
3.HOW
原因に対する効果的な策を打つ。
この流れを適切に行うのが大事で、いきなりWHY, HOWを行うのは失敗の原因と述べられている。特にいきなりHOWに飛ぶことを「HOW思考の落とし穴」と言ってこれは行ってはならないと書かれている。
HOW思考の落とし穴
HOW思考とは
- 考えるより先に思い込みで行動してしまう
- 言われたことを、言われたとおりに行動してしまう
例としては、「営業成績が上がらない」→「もっと営業電話をかけよう」ということが述べられている。電話をかけることが無駄ではないが、トーク内容の改善や訪問先に渡す提案書の作りこみのほうが成果が出るかもしれない。そういうことを考慮せずに思いついた対策に手をだすというのがHOW思考である。ある意味、思考放棄とも言えるかもしれない。HOWをひたすら連打するといつかは当たるかもしれないが「闇夜の鉄砲」であり消耗が激しいのでやるべきではないと書かれている。HOW思考は企業に蔓延している考え方と言われており、割と心当たりあるので気をつけたい。WHYまで考えたのにHOW思考というのもワークショップなんかでよく見る現象な気がするので気をつけたい。
HOW思考の原因
- 感と経験による思い込み
- 無責任・無関心
- HOW指示
まぁ、心当たりありますよね。急がばまわれ、一旦立ち止まって思考しましょうとのこと。
論拠と原因
全体をとらえ、感度の高い切り口を用いてMECEに問題を切り分けて、全体の中でどこに問題があるかを発見したときに「論拠」を合わせて述べましょうという話。
論拠とは
「問題が問題である理由」のこと。
原因とは
「問題が発生してしまう理由」のこと。
例えば、カフェチェーンで「朝の売上に問題がある」という問題を発見した時に、論拠は「朝の売上が最も低下しているから」ということになる。また原因は「朝食メニューをやっていない」といった内容になる。この2つは混合しやすいため普段から注意することが必要だと述べられている。
また、そもそも論拠はテーマのことであり、この論拠をきっちりと合意形成していないと議論が蒸し返すことになる。これは嫌っちゅうほど経験があるし、自分も余計なことを言ってしまってると思う。今後この手のことに直面した時には論拠は何なのかを意識したい。研究室ではコンセプトって言ってた気がする。
2つの問題解決
発生型の問題
→ 「誰の目から見ても明らかに」わかる問題
→ 原因追求による再発防止が必要
設定型の問題
→ <あるべき姿>に照らして初めて分かる問題
→ <あるべき姿>の設定による問題認識が重要
例えば、会議室でコーヒーがこぼれてたりゴミが散らかってたりするのが「誰が見ても明らかにわかる」発生型の問題。次に、会議室にホワイトボードがないという設定型の問題がある。これは人によっては別になくてもいいんじゃないの?という話がでるが、「会議を効率的に行うには書きながら議論した方がよい」という「あるべき姿」と比べると問題であると理解できる。このように問題には二種類あり、設定型の問題である場合「問題がなぜ問題と言えるのか」をしっかり説明できないと話が噛み合わなくなる。
普段、設定型の問題を扱うこと多いのでここは気をつけないといけないなと思った。
KGIとKPI
行った対策はKGIとKPIを設定して、誰が見ても進捗がどうなのか判断できるように定量的に設定しておきましょう。
所感
問題解決の手順自体も参考になったが、それ以上に議論を蒸し返したりしないよう、どう合意形成をしていくかというところに力を当てていて、そういうのビジネス書っぽいなと感じた。そして多分そういうことができるかどうかで仕事できるか否か判断されるんだろうなとか。ただ、この本の事例でも事業部がいくつかあるような結構な大所帯の企業の話なので、もっと小さな企業だとこの本のようなことやらなくてもゴリ押しで色々やったほうがよいのかもなとも感じた。とにかくHOW思考が悪っぽいのはわかるのでそこ気をつけたい。あと色々本気で実践するならKGIとKPI設定しないと厳しいと思ったのでやっていきたい。