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「勝ち続ける意志力」読了

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
梅原 大吾
小学館
売り上げランキング: 2,380

プロゲーマーウメハラによる、ある種自伝的な「勝ち続ける」ために何をしてきたのか述べられている本。近年でも活躍し続けていて「 世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネスブックにも載っている。要するに世界最強のプロゲーマーのひとり。

本にも書かれているがウメハラが有名になったのはこのプレー。多分ルールがわからなくてもすごいことが起こっているのはわかると思う。

簡単にまとめると勝ち続けるためには以下の二点が必要になるのかなと。
・精神状態を保ってバランスを崩さずにゲームと向き合い続ける
・常に変化し続ける

バランスを保つ

勝ち続けるには「勝って天狗にならず、負けてなお卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことで、バランスを崩さず真摯にゲームと向き合い続ける必要がある」とまとめられている。著者は自分も相手も人間であり、特別なことは何も無いという事実を忘れないことでバランスを保っているらしい。勝てたのは自分の経験や技術の正確さといった積み重ねがあったからで、得体の知れない自分が相手を下すということはないと述べている。結果が出なかったとき、一時の感情に流されるのではなく事実を受け止めて分析することが大事である。

常に変化し続ける

著者にとっての正しい努力は変化することである。著者は、「前に進むことと変化することは別だと思われているかもしれないが、変化したことで失敗したり、後ろに下がったときはもう一度変化すればいい」と述べており、変化し続けることで成長できるという考えを持っている。これ、かなり心当たりあるけど実践するのは非常に難しいと思う。自分を変えるとき、変化するためのコツは「そうすることでよくなるかどうかまで考えない」と言っているが、その考え方は参考にしたいと思う。

さらに著者は、何かできることがあるときに正解のありそうな当たりを付けて試すのではなく、片っ端からすべて試すことを重要視しており、すべての方向を探り尽くすからどこかで正解が必ず見つかると述べている。これは真似できない。しかしそれをすることで土壇場での自信になっているのはわかる。著者はこの努力や取り組み方に自信を持っているからゲーマーの自分でも普通の人とも話せると述べている。

また、そのようなやり方の中で奥義のような戦術を発見してもそれに固執することなく、新しい戦術を生み出し続けていくことが大事だと述べている。戦術は特許ではないし自分だけのものではない。自分だけのもので永遠に勝ち続けさせてくれるものは、戦術を生み出す努力であり、発見に必要なノウハウである。「かつて生み出した戦術に頼らない覚悟と、新たな戦術を探し続ける忍耐があるからトップでいられる」というのさすがだと思う。さらに「築き上げたものに固執する人は結局、自分を成長させるということに対する優先順位が低いのだと思う。新しいことに挑戦する意欲も薄ければ、何かを生み出す創造性も逞しくないのだろう」と言い切ってるの、本当にグサッときたぞっと。

目的と目標は違う

バランスを保つということもここにつながってくるが、勝ち続けることには努力し続けることが大事になってくる。著者は目標はあくまで目標で、目的と混同してはいけないと述べている。著者は勝つことよりも成長し続けることを目的と考えているそうだ。人間は目標があるから頑張れるし力を発揮できるが、その目標にとらわれすぎて目的になってしまうと、なぜだか結果はついてこないと。毎日するべきことは大会などで左右されるべきではないというのは何となくわかる。また、人間にはそれぞれ一日に頑張れる量が決まっていて、今の努力量が10年続けられるかどうかを自問してみてはどうかというのすごい現実的だなと思った。

この本、サブタイトルには仕事術と題されているがそこまで仕事術ではないかなと思った。しかし、努力の継続の仕方などゲームがしてない人が読んでも面白いのではないかと思う。少しでも毎日に変化が起きるよう生活したいと思った。